トロンボーンの少年時代









●トロンボーンも昔はおとなしかったんです●
かつてトロンボーンは、「サックバット」といい、
教会の合唱の伴奏や補助的な役割を果たす楽器として用いられていたそうです。
「人の声によく溶け込むように」演奏され、
周りの音との調和を保つ楽器で、今よりずっとベル部分も小さく、音量も控えめなものだったらしい。

当時は教会と民間の間には大きな格差があり
教会で活躍するトロンボーンは「神聖な楽器」と見なされていて
主に宗教曲に用いられていました。

聞いて楽しむための世俗的な曲に使用されたのは
19世紀になってから、ベートーベン「運命」で。
というのは割と有名な話らしい。

宗教曲に使用されていたころの名残で、トロンボーンはその後も
宗教的な要素の表現として使用されることが多かったとか。
お葬式のシーンとか。

●オーケストラでは割とひま?●
「トロンボーンは神聖な楽器だから、たびたび使う訳にはいかない」
フェリクス・メンデルスゾーン
 時は過ぎて…↓
「トロンボーン吹きは、演奏の仕事を書き込むのに
どのようなカレンダーを使いますか?」
「一年1ページのカレンダー」
トロンボーンジョーク

…こんなこと言われちゃうところもトロンボーンの魅力かと。

トロンボーンを楽器編成に組み込むことがない時代につくられた曲には、
当然トロンボーンの活躍の場は無いので、
古い曲なんかではほんのちょこっと吹いては次の出番を待ち、
ちょっと吹いては待ち…
なんてこともあるらしい。
トランペットも出番は少ないけれど、トロンボーンはもっと…と
聞いたことがあるんですがどうなんでしょうか。

今じゃだらしない音やコミカルな曲、
勇壮な攻撃的な音なんかもこなしていて、
この多面的な感じがとても人間臭い感じがします。

もちろん今だって調和の取れた音(和音とか)も得意。

●高身長●
トロンボーンの語源は「大きなトランペット」。
実際演奏してる人も、背が高かったり手が長かったりが多い。
手が長いほうがスライドをのばせる。

●トランペットは昔から気が荒かったんです。●
トランペットもなかなか複雑な歴史を持っているのですが、
長い歴史を通して「戦意高揚のための楽器」
という一点を根底に持ち続けているようです。


古来、男性が演奏するものとされていたらしい。

以前はトランペットについて、「ちっ、花形楽器目め…」と思っていたのですが、
その上がり下がりの大きな歴史を知った後は
トランペットが活躍している曲を聞く度に胸がきゅんとします。

トランペットの歴史についても、そのうち書けたらなーと思っています。

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