浮世離れフルート














●フルートが重視する「実用と合理」●
外見も美しく、繊細できらびやかな音色でメロディラインや合いの手と言った
目立つ部分を担当することが多い花形楽器。

しかし。その美しさの理由は意外と合理的で実用的。

フルートはもともと木製で、改良を経て金属に変化していった楽器。
金属になった理由をまとめると、
・耐久性
・加工のしやすさ
を重視したためらしい。

「金属の方が音がでかく響くから」という説もありますが、
その辺は反対意見もあるようです。
個人的には、横笛で言うと金属の方が音は大きく聞こえる(あくまで「聞こえる」)気がします。


また、唇を置く部分に台座があるのも木製の名残で、
木でできていたころの厚みを再現している為、と言われています。

この台座に装飾的な飾りなんかが彫られていたりしますが、
これは飾りだけでなく滑り止めの役割も果たしているそうです。

どこまでも合理的なフルート。

一番すごいのは、フルートの複雑なキーシステム。
「ベームシステム」というものの一つで、当時画期的な改良だったそうです。
(キーシステムに限ったことではないらしいのですが、まぁ詳しい話は置いといて…)


この辺は詳しいサイトがたくさんあるので、
(というか、いまいち飲み込みきれなくて説明ができないので)
「ベームシステム キー」とかで検索してみて下さい。

平たく言うと、あのごてごてしたボタンや連結の棒を付けることで、
演奏の機能や音質が格段にアップしたそうです。
(キーを押すと、離れた場所の穴をふさぐキーと連動しているのが分かります。)

このシステムは、サックスやクラリネットなどの色々な楽器にも応用されてます。


●かみあわない…●
そんな進歩をしたフルートですが、
「音が合わせにくい楽器」という定評がある。

一定の音をまっすぐ伸ばすのが困難な楽器…らしいです。
根本的なところにハンデを抱えたすごい楽器。

ただ、フルートはソロや合いの手が多いので、
曲を聴いている限りでは「他の楽器と合わせている苦労」を感じることはあんまり無いです。
「他の楽器の音の上でひらひら遊んでいる」みたいな印象が強い。


●そういう星のもとにうまれたの。●
フルートの起源と言われるギリシャ神話。

人気者の半獣人の神「パン」が妖精に恋をします。

ことあるごとにちょっかいを出してくるパン。
妖精は本気でそれが嫌。

ついに妖精自殺

嘆き悲しむパン。
やがて妖精が死んだ場所に葦が生え、
それをパンが笛にした。

この笛こそがフルートの起源という説があります。
フルートはもともと、我知らず人を引き付けてしまうほしのもとにうまれたんすね。

この神話をもとにした曲では、フルートが活躍するものが多い。


●奏者のイメージ●
すっごく気の強いイメージです。

気が強い、というか
あまり協調性を重視してなくて、誰かに合わせようということに
重きを置いていない、というか…。
悪びれない、そしてなぜかそれが通ってしまう。
そんな不思議な人たちという印象があります。

オーボエ奏者もあんまり悪びれないけど、
こっちはなんとなくちゃめっけがあるような気が…

曲中での役割上、練習も一人ですることが多そう。
お酒も一緒のテンションで飲んでくれなさそう。

一人でもくもくと、本人はそうとは気づかずに
ずっと努力し続けている。

そして北欧出身の奏者も多いらしく、なんかキラキラなイメージ。

ちょい浮世離れしててすっごくきらきら。
そして自覚なしの孤高?そんな感じです。

個人的には、フルートの音のイメージと奏者のイメージはかなり重なってます。

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